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直下型大地震4年以内70%に根拠無し!

なんか1月26日のNHKの番組での東大地震研究所の平田直教授の発言が
完全に誤解されて独り歩きしているようです。


僕が調べた限り、平田直教授は一言も
「直下型大地震が4年以内に70%の確率で起きる」
とは言っていないのです。


「関東で近いうちに必ず大きな地震が起きる」とは言いました。
地震学者なら大抵言います。

また、平田直教授のチームが出した試算は
大胆な仮説と大きな誤差の可能性に基づいた試算方法で
4年以内に70%の確率でマグニチュード7以上の地震が起きると言っているだけで
「大地震」とは一言も言っていません。

震度は地震のエネルギーであるマグニチュード、震源の深さ、岩盤の構造などの複合要因により決まるため、
単純にマグニチュード7=大地震ではありません。
岩盤の構造が均一であれば、震源が2倍深くなれば震度は4分の1、3倍深くなれば9分の1になります。
また、大きなエネルギーを持つ震源は通常より深い位置に分布する傾向があります。
因みに、日本で1996年~2005年の間にマグニチュード7クラスの地震は
年平均2回程発生しています。


次に、平田直教授のチームの試算の根幹をなす
「グーテンベルク・リヒターの法則」について考察してみましょう。
そもそも「グーテンベルク・リヒターの法則」は地震の持つエネルギー(マグニチュード)と
発生回数の相関関係を数式化したものに過ぎません。
単純に言うと、マグニチュードが1増えると、発生確率が10分の1になるという法則です。
この理論を純粋に推し進めると、どんな大きな地震も発生確率は低いが起こり得ることになってしまうが、
実際の観測結果から地域により最大のマグニチュードが存在すると考えられています。
尚、マグニチュードが1増えると言うことはエネルギーは10倍になることを意味しています。

さて、この時点で気づいた方もいらっしゃると思いますが、
この「グーテンベルク・リヒターの法則」を適用するには重要な前提条件があります。
マグニチュードと回数の相関関係を数式化するためには、
その相関関係を統計処理してパラメータを決定しなければなりません。
そして、統計処理をするためには充分なサンプルが必要です。
これを満たすためには、二つの方法があります。

1.時間軸のスケールを大きくとり、特定の地域における定常的な地震の充分なサンプルを得る
2.特定の地震により大量に誘発される余震のデータを取り、その余震の傾向を分析する

平田直教授のチームが集めたサンプルは震災以降の地震のデータ、
言い換えるとほぼすべてが3.11の震災の余震のデータです。
つまり、平田直教授は3.11の震災により誘発される余震の確率を試算していたわけです。
ただ、余震の場合、定常的な地震とは異なり、通常本震発生後の経過時間にほぼ反比例して
地震の数が減少していきます。
この影響を「改良大森公式」と言うもので加味して、
特定のマグニチュードの余震発生の可能性を算出したということです。

ただし、ここで問題が一つ発生します。
平田直教授がサンプリングした9月までの状態では、余震が収束していないということ。
これは何を意味するかと言うと、母集団の全体像がつかみにくいため、
正確なパラメータを算出するのが難しいということです。
ぶっちゃけ、誤差が大きい可能性があります。

さらに大胆なのは、通常本震のあった地域に適用される手法を
本震とは離れた南関東のデータに対して使っていることです。

つまり、かなりチャレンジングな試算をしていることは
恐らく平田直教授ご自身は認識しているし
見る人が見ればわかるはずです。
なので、地震の備えは今すぐにでもすべきですが、
根拠があまりない数値に踊らされる必要もありません。



原口直敏
当ブログを書く際に参考にしたサイトの内、主なものをご参考までに提示します。

▼素直に見る世の中。:東大地震研・平田直教授 予知は出来ないけど、今後4年で70パーセントの確率で大地震だって・・・。
http://blog.livedoor.jp/kuroiamakitune/archives/51645353.html

→この他にも色々チェックしましたが、このサイトが一番平田直教授の発言がまとまっていました。

▼3月11日以降の首都圏の地震活動の変化について | 東大地震研 広報アウトリーチ室
http://outreach.eri.u-tokyo.ac.jp/eqvolc/201103_tohoku/shutoseis

→一般向けの解説としては今回の発表のソースにもっとも近い情報

▼余震の確率評価手法について
http://www.jishin.go.jp/main/yoshin2/index.htm

→余震評価の具体的な方法が、分かり易く解説されています。
 初等数学を理解していれば大体分かるはずです。

2012.02.04 追記
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プロフィール

原口直敏

  • Author:原口直敏
  • 洗練されたオタクを目指す、ミドルエイジ。
    持ち前の好奇心により、その知識と見識は多岐にわたる。(本人談)
    RPG風に興味のある分野を紹介しよう。

    【戦士属性】
    自己啓発、ビジネス、経済、投資、語学、各
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